更年期の不調✖️ピラティス|理学療法士が解説する、呼吸・代謝・循環の整え方

こんにちは、ピラティススタジオclaro代表の竹内です。

「顔はほてるのに、手足や腰は冷える」「夜中に目が覚める」「お腹まわりが落ちにくい」「くしゃみで尿もれが気になる」。 40代半ばを過ぎて、こうした変化を感じている方は少なくありません。今日は理学療法士の視点から、更年期の身体とピラティスについてお話しします。

更年期に、身体の中で起きていること

閉経をはさんだ前後5年ずつ、約10年間を「更年期」といいます。日本人女性の平均閉経年齢は50歳前後で、一般的には45〜55歳ごろにあたります。

この時期は女性ホルモンのエストロゲンがゆらぎながら減り、主に次のような変化が表れやすくなります。

  • 自律神経:ほてり・発汗、手足や腰の冷え、肩こり、不眠、イライラ
  • 骨盤底:くしゃみや咳での尿もれ
  • 代謝・骨:体型の変化、骨粗鬆症

ピラティスが働きかける、4つのポイント

1. ラテラルブリージングで、自律神経を整える

猫背や緊張が続くと横隔膜が十分に動かず、首や肩の呼吸補助筋(斜角筋・胸鎖乳突筋など)で肋骨の上部を持ち上げる「上部胸式呼吸(肩呼吸)」になりがちです。呼吸は1分間に約12〜20回、1日にすると2万回前後くり返されるため、首や肩のこりにつながることがあります。息を吸ったときに肩が上がる方は、そのサインかもしれません。

同じ胸式呼吸でも、横隔膜を主役にするのがピラティスのラテラルブリージングです。お腹を軽く引き込んだまま、鼻から吸って肋骨を横と背中側へ広げ、口から細く長く吐きます。長く吐くことで、リラックスを担う副交感神経が働きやすくなるといわれています。

2. ふくらはぎと体幹の筋肉で、冷えに備える

更年期は、体温を一定に保つための調節の幅(温熱中性帯)が狭くなります。そのため、わずかな体温の変化で血管が急に広がったり(ほてり・発汗)、縮んだり(冷え)しやすくなると考えられています。エストロゲンには血管を広げる働きを助ける作用もあり、減ると血管が広がりにくくなります。眠るときは主に手足の先から熱を逃がすため、冷えは寝つきの悪さにもつながることがあります。

手足の冷えに関わるのが、ふくらはぎの筋肉、なかでも奥にあるヒラメ筋です。縮むたびに静脈の血液を心臓へ押し戻すポンプの役割を担い(筋ポンプ作用)、ふくらはぎが「第二の心臓」と呼ばれる理由になっています。

腰の冷えには、座ったままの時間が長く、お腹や背中、お尻の筋肉が使われていないことも関係します。筋肉は動くことで熱を生み出し、周りの血流を高めます。

ピラティスでは、マシンでかかとを上げ下げする動きでふくらはぎを、背骨を一つずつ動かす動きで体幹の筋肉を使い、横隔膜を使った呼吸とあわせて血液循環を促します。手足や腰の冷えが楽になることがあります。

3. インナーユニットで、尿もれに備える

中高年の女性に多いお悩みの一つが、くしゃみや咳をしたときの尿もれ(腹圧性尿失禁)です。加齢や出産で骨盤底筋がゆるむと、お腹の中の圧(腹圧)が急に高まったときに、尿道を締めきれなくなります。

横隔膜・腹横筋(お腹のコルセット)・多裂筋(背骨の支え)・骨盤底筋の4つは「インナーユニット」と呼ばれ、この腹圧を一緒に受け止めています。ピラティスでは息を吐くタイミングで腹横筋と骨盤底筋を連動させるため、ご自身では感じにくい骨盤底筋も使いやすくなります。骨盤底筋を鍛えることで、尿もれの改善が期待できるとされています。

4. 筋肉を保ち、代謝の低下と骨粗鬆症に備える

1日に使うエネルギーの約6割は、じっとしていても使われる「基礎代謝」です。基礎代謝は年齢とともに下がり、その主な理由は筋肉量の低下とされています。更年期は、ここにエストロゲンの減少による脂質や骨の変化が重なる時期です。マシンピラティスは負荷を細かく調整できるため、お尻や脚の大きな筋肉まで関節に無理なく使え、基礎代謝の低下や体型の変化に備えることにつながります。

骨は、古い骨を壊して新しい骨を作りながら入れ替わっています。エストロゲンが減るとこのバランスが崩れて骨が減りやすくなり、骨がもろくなる「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」が気になり始めます。骨には力がかかるほど強くなる性質があり、筋肉が骨を引っ張る刺激は、骨が減るのをゆるやかにする助けになると考えられています。転ばないための筋力やバランスが身につくのも、骨折を防ぐうえでの利点です。

claroのピラティスについて

claroは、理学療法士が監修するマシンピラティス専門のスタジオです。レッスンは50分のマンツーマン。骨盤底筋や腹横筋のように感覚をつかみにくい筋肉も、呼吸や動きを一つずつ確かめながら、その日の体調に合わせて進めます。骨粗鬆症が気になる方も、骨の状態に合わせて、背骨に負担をかけにくい種目を選べます。

さいごに

更年期の不調の出方には個人差がありますが、呼吸と筋肉の働きを整えることで、改善につながることがあります。「最近、身体がゆらいでいるな」と感じたら、まずは体験レッスンでお試しください。

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